合格者メッセージ

      

 2018年 現役合格 

 鶴田千尋さん

 東京芸術大学日本画科合格

  一次試験再現作品         二次試験再現作品

高1の9月からタチビの日本画の夜間部に週3で通い始め、高2になってから週6で本格的に学びました。
進む科は決めていたので、基礎科には行かず、すぐに日本画科に入りました。日本画の先生方は何もわからない私に鉛筆の使い方から丁寧に教えてくださいました。上手な浪人生の方の作品を見たり、講評を聴いたりと、早くから受験科の臨場感を味わうことができたのは自分の中で良いことだったと思います。
高2、特に高3になってからは、試験がもうすぐであるという焦りに加え、目標を見失ったり、思うように成長できなかったり、苦しい日々が続きました。それでも一枚一枚精一杯取り組み、完全燃焼するということはいつも意識しました。高校と予備校との両立は大変でしたが、予備校で行うことには妥協しないようにしていました。
一次試験の課題はポリ袋に入ったアリアスでした。初めての試験で、芸大の空気や、いつもと違う紙質、苦手な2列目の位置という状況に緊張してしまい、納得のいく出来にはなりませんでしたが、見たままに素直に描こうと最後まで努力しました。
二次試験は、ドライの紅花、ダンボール箱、たくさんの野菜、ステンレス筒、白布の着彩課題でした。得意なモチーフがなく、またしても緊張して焦ってしまい、何にしてもうまくいかず終始泣きながら描いているような状況でしたが、先生の言葉を思い出し、どんなにだめな作品になっても最後まであきらめずに描こうと努力しました。結局、実力不足を痛感した試験になってしまいましたが、受験生活において自分ができる限りのことは全てやったという気持ちはありました。
私にとって受験生活はとても辛いものでしたが、一番大事なことは「自分を信じる」ことだと思います。もちろん参考作品を見たり、上手な人から学ぶことは大切ですが、自分がどう感じたか、に勝るものはないと思います。正解はないので、自分を強く持ち、自分を信じてあげることが必要だと感じます。
また、予備校で過ごしているとどうしても受験絵画のことしか考えられなくなってしまいますが、休みの日に美術館に行ったり、好きな場所に遊びに行って素敵なものを見たりすることは心に良い刺激をくれました。大学に入ったらどんな作品が描きたいかと想い巡らすことも気分転換になりました。
タチビの日本画の先生方は本当に親身に指導して下さり、いつも優しく接してくださいました。タチビはあたたかい場所だと強く感じました。受験生活をタチビで過ごすことが出来て本当に良かったです。
支えてくださった先生方、優しい先輩方、一緒に頑張った友人達、常に心の支えである両親、本当にありがとうございました。試験日の悔しい気持ちを晴らせるよう、これから精進したいと思います。

 

 

  2016年

  佐々木慧さん

  東京藝術大学日本画科合格

一次試験再現作品           二次試験再現作品

立美には高1から通い始め、日本画では高3から2浪までの三年間お世話になりました。
現役の時は一次落ちで、悔しいとも思いませんでした。1浪では二次まで行って受かったらラッキーと思っていたら落ちました。しかしその年立美で二次に行った人は自分以外皆受かってしまって、その中に同い年の友達もいたので、急に焦りました。
それまでは3浪くらいして受かればいいかみたいな呑気さがあったのですが、その時絶対今年で受かりたいという強い気持ちが生まれました。

2浪目は色々と考えた一年でした。
1浪まではあまり考えずに感覚だけで描いていて、理論が身に付いていませんでした。
2浪の夏期講習でどうやって描けばいいのかかなり悩んで、理解が追いつかず苦しみましたが、悩んだ後で絵が良い方向に変わったと思います。
結局色々な謎が解けたのは試験の直前ギリギリでした。ずっと自信が無かったのですが、色々なことを理解した時、もう大丈夫と思えて、そのまま合格することができました。

一次の素描はヘルメスで、位置は一列目逆光横位置という所謂当たり席でした。くじ運が良すぎて驚き、これは落ちたら言い訳できないと思いました。形と印象を絶対に合わせて、差を大事にすることを意識しました。石膏も室内も白くて綺麗でした。逆光で見え辛く途中訳わかんなくなったりしましたが、部屋から何度も出て心を落ち着かせていました。
二次試験の課題は手と植物の構成でした。一次で石膏単体が出ていたので変化球に少し面食らいましたが、そこまで動揺はしませんでした。今まで色々描いてきたから、何でも描けると思えました。
とにかく植物の形を綺麗にとって、手は美しく自然なポーズを目指して、あとはリアルになるまで描く!と思って描きました。手は自分の手だと思うとあまり楽しくないので、誰か別の素敵な女性の手だと思って描いていました。
芸大の光は綺麗で、植物も綺麗で、その場の美しさみたいなものを描ければいいなと思いました。
終わった後はやりきった充実感がありました。

受験生はよくわからない不安に襲われて毎日が辛くなってしまいがちだと思います。
私は目標をかなり高く立て過ぎて、参考作品と自分との差に落ち込むことが多々ありました。
しかし、辛いと思って描くと全然上手くいかないので、楽しく描けるように努力すべきだと思います。
体調を整えて、飽きないように工夫して、モチーフが美しいと感じながら描けるようにするのが大事です。自分の意識次第で絵は変わります。
2浪目の1年間は、自宅で植物の線描クロッキーをしていました。昼に予備校で描く絵とはまた違って、良い気分転換になったと思います。

立美の日本画の先生方は、休みがちだった私にも丁寧に指導して下さいました。自信がなくて弱音を吐いてばかりだったのですが、先生方の励ましで気持ちを保てました。
少人数なので先生がとても親身で、私が何かうだうだ言っていても、いつでも優しく見守って下さいました。生徒が少なかった2浪目ではほぼ毎回一人一卓という贅沢な環境でした。
立美を選んだのは偶然だったのですが、ここに来て本当に良かったです。基礎科の二年と受験科の三年、合わせて五年間、ありがとうございました。
支えてくれた先生方、友人、家族に感謝します。これからも頑張って絵を描き続けたいと思います。

このサイトに掲載されている画像、動画および文章の無断転載や加工、二次配布を禁止します。

関連キーワード:日本画 芸大 美大 着彩 素描 石膏 静物 人物 タチビ 立川美術学院